2019年3月22日

白夜が育む、フィンランドのマーケット

フィンランドは、北ヨーロッパにあり首都のヘルシンキは北緯60度のところに位置しています。札幌が北緯43度ですから、日本よりも随分と北にある国です。 大きさは日本の国土より少し広いくらいで、人口は550万人程。日本の都道府県別人口数で考えると、北海道の人口とほぼ一緒です。

長い冬から生まれたフィンランドデザイン

長い冬から生まれたフィンランドデザイン

フィンランドデザインという言葉を、皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、フィンランドでは、シンプルで機能性に富んだデザインが溢れています。室内もシンプルなしつらえをしているのですが、 間接照明が多く使われ暖かみがあるのが特徴です。これはフィンランドの冬が長く続くことにより、いかに快適に室内で過ごすかという発想からきたもの、ともいわれています。フィンランドの冬は長く厳しい季節でもあり、 場所によっては1日中太陽が顔を出さないエリアもあります。ただ、その一方で、夏の太陽はきらめきを放ち、1日中フィンランドを照らし続けます。太陽が1日沈まない様子を「白夜」といいますが、 深夜になっても明るい街並みを見ていると、本当に魔法にかかったかのような感覚になります。

彩り豊かになる夏

彩り豊かになる夏01

彩り豊かになる夏02

このため、フィンランドの人々は夏を本当に楽しみにしていて、存分に太陽の光を外で味わいます。それは人に限ったことではなく、植物や野菜、果物も同様です。なかなか沈まない太陽の光によって、一気に成長をする花、植物、そして野菜たち。

フィンランドの首都ヘルシンキには、マルシェのようなマーケットが様々な箇所で通年行われていますが、この時期のマーケットは、本当に彩りが豊か。ベリーの赤から紫系の色もあれば、果物の黄色系、そして野菜の緑系まで見ていて楽しくなります。

春から夏にかけてのマーケットで特に忘れてはいけないのは「えんどう豆」。日本では茹でて食べることが普通ですが、フィンランドのマーケットで売られているえんどう豆は、生で食べるのが普通。さやを割って中の豆をぽいっと口に入れる。信じられないかもしれませんが、甘みがあって癖になるくらい美味しいんです。

木曜日は「豆スープの日」

このフィンランドのえんどう豆は、様々な料理に使われますが、一番ポピュラーなのは「豆スープ」 。えんどう豆を1時間程度煮込んだ後、細かく刻んだ 豚肉やニンジン、タマネギを入れて、さらに1~2時間煮込む料理で、とろみがあり、豆は食感が残る程度につぶされています。味付けは、基本的には塩コショウ程度で、豆の味が凝縮されたマイルドな味わい。最後に甘めのマスタードを入れるのがフィンランド流です。
フィンランドでは古来、木曜日に豆スープを飲むことが伝統になっています。これはキリスト教が関係していて、断食となる金曜日の前に栄養価の高い豆を摂取するようになったと言われています。

フィンランドのそら豆

フィンランドの「豆」でもう一つご紹介したいのは、「そら豆」。日本でもおなじみの食材ですが、フィンランドのそら豆は、日本のものと比べると少し小ぶりです。 夏、一日中降り注ぐ太陽の光を浴びたフィンランドのそら豆は、タンパク質と食物繊維がとても豊富で、茹でたそら豆は、サラダやパスタ、サンドイッチの具材など様々な料理に利用されます。 フィンランドは、幸せの国とも呼ばれますが、もしかしたら太陽の光をたっぷり浴びた食材を積極的に食べて、日々健やかに過ごすことがその理由の一つになっているのかもしれません。

春を呼ぶスイーツ「セムラ」

次回予告

次回は、イースターまでによく食べられ、春を呼ぶスイーツとしても日本で浸透しつつある「セムラ」(フィンランド語で「ラスキアイスプッラ」)をご紹介します。