2019年12月12日

フィンランドで欠かすことができない「サウナ」 後編

前回はフィンランドのサウナ全体の話や、フィンランド流サウナの入り方をご紹介しましたが、今回はサウナを巡るカルチャーの話をいくつかご紹介します。

ヘルシンキの様々なサウナが解放される「サウナデイ」!

サウナデイ

まずご紹介するのは、ヘルシンキで2016年から始まっている「サウナデイ」というイベント。 開催当日は、登録されているサウナであれば、予約をして、誰でも入れるというもの。 フィンランドは、本当に様々な場所にサウナが存在します。 公共サウナは誰でも入ることができますが、マンション共用のサウナ、オフィスにあるサウナなどは、関係者しか入れないのが通常です。 「サウナデイ」は、そのような滅多に入れないサウナに入れるということが、フィンランドの人々の心に刺さり、毎年規模が大きくなっています。

主催者に話を聞くと、このイベントを催した理由は「サウナコミュニティの復活」でした。 サウナ大国として知られるフィンランドですが、近年公共サウナの減少が続いていました。 「サウナは単純に体を休める場所だけではなく、サウナに入る人々とのコミュニティ価値がある」と考え、このイベントを企画したそうです。

サウナデイ

イベントでは、通常のサウナ以外にも、移動式サウナがオープンし、多くの人々がサウナや、サウナの外に設置された温水プールに入りながらコミュニケーションを取る姿を見ることができました。 当分「サウナデイ」の熱が冷めることはなさそうです。

フィンランドの本質が垣間見えるサウナにフォーカスした映画

今年9月には、サウナにフォーカスを当てて製作されたフィンランドらしい映画が公開されました。 サウナ愛に溢れた人たちが持つ様々な変わったサウナが登場するのも見所の1つですが、印象に残るのは、サウナで繰り広げられる会話、そして余韻です。

サウナにフォーカスした映画

この作品に登場するのは、ほとんどが大人の男性です。サウナに友人と入り、ゆっくりと話し始めます。 作品中の男たちが話す会話は、重い話題があがります。自分がその場にいなかったことで助けることができなかった子供の話、親権問題で自分の娘に会えない話など。 時には思わず涙を流すシーンもあります。その横で話を聞いている友人は、ゆっくりとサウナストーンに水をかけ、水が蒸発する音だけが響きます。

自分で抱えきれない問題や、出来事をサウナで友人に聞いてもらう。このシーンにフィンランドの本質を垣間見ました。 毎年国連で発表される「世界幸福度ランキング」では、フィンランドが2年連続で1位という結果を残しています。 この話は、また後日ご紹介しようと思います。自分の抱えきれない問題を友人に話すことによって心を軽くする。 根本の問題が解決したわけでは無いですが、心が軽くなると、また前に進めます。サウナという場所を通じてフィンランドの本質を感じ取ることができる映画です。

日本のフィンランド大使館にもサウナがある!

自身の抱えた問題をサウナで話すという部分は、日本でも「裸の付き合い」という言葉があるように、裸でサウナに入るというところも大きく寄与しているのでは無いでしょうか。 今まではプライベートでのサウナ利用に関してご紹介してきましたが、最後に、それ以外でもサウナが利用されるシーンをご紹介します。

日本のフィンランド大使館にもサウナ

東京広尾にある駐日フィンランド大使館の大使公邸にもサウナがあります。 もちろん大使は、この大使公邸で生活をしているので、大使専用のサウナになるわけですが、時々外部の方々を招いてサウナを一緒に体験する活動を行なっているそうです。 前回もご紹介しましたが、通常サウナに入ると2~3時間を共に過ごします。 サウナに入ることによって緊張感が取れ、本音で様々な話ができる環境になるのは想像に難くありません。 過去にも「サウナ外交」が、紛争地域に貢献した 事実もあります。 例えば、 1980年代および 1990年代に、ゴラン高原の国際連合レバノン暫定駐留軍では、フィンランド軍隊はサウナを設置し、フィンランド軍以外にも希望があれば、イスラエルやシリアの大使もサウナを使えるようにし、両軍の緊張をフィンランド流に緩ませる努力をしました。 サウナに入ることによって、心を近づけていく、心を通わせる。それがフィンランドのサウナなのです。

ィンランドのクリスマスまでの楽しみ方をご紹介します。。

次回予告

次回は、フィンランドのクリスマスまでの楽しみ方をご紹介します。