2020年8月5日
フィンランドのソウルフードを満喫できるカフェ
シナモンロール、レットゥなど、フィンランドで"ソウルフード"と呼ばれるものがいくつかあります。 今回は、ヘルシンキでソウルフードを満喫できるカフェをいくつかご紹介します。
シナモンロールを食べるなら トーベ・ヤンソンも愛したフィンランド最古のカフェ「エクベリ」で!
シナモンロールは、フィンランド語で "korvapuusti(コルヴァプースティ)"と言い、日本語に直訳すると「潰れた耳」という意味になります。
この言葉の通り、フィンランドのシナモンロールの形はちょっと潰れたような形になっているのが特徴です。
そして、何と言ってもフィンランドのシナモンロールにはカルダモンがたっぷり練り込まれているのも特徴。 シナモンロールを提供するお店に入るとカルダモンの香りが溢れています。
昔から、カフェタイムには、シナモンロールとコーヒーというのがフィンランドの定番中の定番です。
ヘルシンキでシナモンロールを食べるなら、オススメしたいのがこの「エクベリ(Ekberg)」。 創業1852年、実に170年ほどの歴史があり、フィンランド最古のカフェとも呼ばれます。
かつては、ムーミンの原作者でもある、あのトーベ・ヤンソンも足繁く通ったカフェとしても知られています。
エクベリで提供される、パンや、ケーキは、すべて店内で調理されています。 そのためシナモンロールもその日作ったできたてのものが食べられるというのが嬉しいところ。
夏にはテラス席も出るので、テラス席でゆっくりしながら、カルダモンたっぷりのシナモンロールとコーヒーを味わうのは、最高に贅沢な瞬間です。
森で食べる定番のレットゥは、「カハヴィシスコ」で食べるのがオススメ!
フィンランドの人々は、夏の間田舎のサマーコテージで過ごす方がとても多いということは以前ご紹介しました。
このサマーコテージには、電気や水が通っていないこともあり、食事はシンプルなもので済ますことが多いとも言われています。
その中でよく作られるのが、バター、小麦粉、水で作れるパンケーキやクレープのような「レットゥ」と言われる食べ物。
見た目はクレープのように見えますが、生地はもちもち、ふわっとしているのでパンケーキにも近いのが特徴。 ここにグラニュー糖をちりばめたり、ベリーや生クリームをたっぷり乗せて食べたりもします。
レットゥは、家庭の味でもあったりするので、お店で提供されることはそこまで多くはないですが、 観光名所の一つでもある"ハカニエミマーケット"にある「カハヴィシスコ(Kahvisiskot)」というお店で、通年美味しいレットゥを食べることができます。
「カハヴィシスコ」は、ハカニエミマーケットで40年以上続く人気店。 バターをたっぷりと使う「カハヴィシスコ」のレットゥは、香ばしくて病みつきになってしまうので、食べ過ぎにだけは注意です。
「ストーリー」のサーモンスープで心までほっこりする
フィンランドの伝統料理を売りにしているレストランに入ると、必ずメニューとしておいてあるのが"サーモンスープ"。
クリーミーなスープで、具材がゴロゴロ入っているのが特徴です。日本でいう味噌汁に感覚が近く、家庭毎でアレンジが少しずつ違ったりもします。
特に寒い冬に食べるサーモンスープは、身も心も温めてくれるフィンランドには欠かせない料理なのです。
サーモンスープを食べるのに特にオススメなのが、オールドマーケットにお店を構える「ストーリー(Story)」。
「ストーリー」のサーモンスープは、さらさらしたスープに、ゴロゴロと具材がたくさん入ったタイプ。散りばめられた新鮮なディルの香りが食欲をそそります。
注文するとパンも付いてくるのですが、このパンをスープに浸して食べると素晴らしい味わいが口に広がります。結構大きいお皿で提供されるのですが、気付くと完食している。それが「ストーリー」のサーモンスープです。
ここのお店は、ミシュランを獲得したレストラン創業者がプロデュースしたと言うこともあり、店内の設えも洗練されていて、居心地の良い空間になっています。
マッカラを焚き火で焼いてキャンプ気分が味わえる「カフェ レガッタ」
フィンランドの人々は、森に入ることが大好きです。ストレスを発散するために森を散策する人もいれば、 ちょっとしたアウトドア気分で森に入り、ベリーを積んだり、焚き火をする人たちもいます。
小腹が空いた時、よく食べられるのが"マッカラ"です。マッカラは、フィンランドのソーセージのことで、アウトドアの必需品とも言われます。 日本でよく見るソーセージより一回り大きいのが特徴です。
マッカラを焚き火でじっくり焼いて、ちょっと甘めのマスタードをたっぷりつけてかぶりつくのがフィンランド流です。
そんなマッカラを、自分で焼いて食べられるちょっと変わったカフェが「カフェ レガッタ(Cafe Regatta)」。
店内には、もちろんテーブルや椅子が置いてありますが、外のスペースには、なんとお店専用の焚き火スペースが設置されています。 お店で注文したマッカラをここで焼いて食べることができるのです。
オススメは、冬の寒い日に、焚き火にあたりながらじっくりマッカラを焼いて食べること。 冷えた体を焚き火が暖めてくれて、パリッと香ばしい音とともに、ジュワッと口に広がるマッカラとマスタードの味わい。まさに至福の時です。

次回予告
次回は、特色豊かなヘルシンキの人気カフェをいくつかご紹介します。